チューニングのステージを上げたい場合、他社のデータが入っていると要注意だねという話&自社のデータは書き換えられないとされていても、適切なプロセスを経ることで絶対に書き換えが可能というその1
ツールメーカーが作る吊るしデータは存在する&チューナーによって意外とデータは違う&チューニングカーを壊すのはオーナー自身というその2
ツール毎のアプローチ方法の違いが施工時間&施工可能メニューに影響を与えているんだよ。速いツールは出来る事も少ないけど、それを逆手に取ることも出来るよというその3
書き換えが上手くいかない事もあるよねというその4
に続き、ECU/TCUの同時施工の必然性について書いていきます
この話は物凄くシンプルではあるものの、本当に奥が深く、メルセデス・ベンツのECU/TCUチューニングがかなり難しい(ECU/TCUの解析が中々進んでいない)という話と密接な関連があります。
とりあえずいつも通り、話を物凄くシンプルにして考えていきましょう。
既に"その2"で書いているように、トルクリクエストの誤魔化しor/andTCUの調整についての話です。
~その2のおさらい~
①ターボ車でパワーを出すためにはシンプルにブースト圧を上げる必要があります。
<この辺りから各種リミッター数値が上がるため、人間が車の異変に気を使う必要が出てきます。>
②燃料を多く吹けばパワーが上がるのでラムダ補正を弄ります。
③燃料を多く吹けばパワーが上がるので燃料噴射量を上げます。
<ここまでがサブコンでもやってること>
④トルクリクエストを誤魔化します(⑨が出来るなら不要)
⑤レブリミットを引き上げます
<多くの吊るしデータがここまではやっている気がします>
⑥各回転数/各ギアの空燃比や点火時期を編集していきます
⑦スロットルマップを弄ります
⑧水温マネジメントの領域を弄ります
⑨TCUを調整してトルクの整合性を取るようにします
<ケルティックはこの辺りまで触っているパターンが多い印象があります>
⑨走行モードごとにマップを変えます
<データの整合性を完璧に取るのが難しいようで、ここまでやるチューナーは結構少数派です><Revoは一部やっていることになっていますよね><CelticもSimos18限定で走行モード毎のマップ切り替えをやっているようです>
*もちろん、ここに挙げたのは一例かつ羅列なので、実際の編集順序や編集箇所は様々です。
*(再掲)僕自身がファイル編集をしているわけでは無いので、ザッと概念的な所を掬う記事だと思ってください。見当違いな事は書いていないはずですが、実際にファイルを編集している人が読むと稚拙な内容になっていると思います。
~その2のおさらい(終)~
初期のECUではエンジントルクやトランスミッション入力トルクというパラメーターは無かったわけですが、最近のエンジンは様々な調整やエンジン/ミッションの相互連携の為、密にトルク値をやり取りしています。トランスミッション側のリミッターに対して、高すぎるトルク値が入力されるとハードウェア保護の制御が働く為、実際のトルクに係数を掛けたり、一定の数字が出力されるようにすることでこの制御を回避しているのが現実です。
TCUを書き換えることで、トランスミッション側のトルクリミッターの値を引き上げ、ハードウェア保護の制御が回避出来るわけです。実際にデータを弄っているわけでは無いので、断定は出来ないのですが、生のデータをやり取り出来るということは、車に実際に起きている事象を車の制御システム(つまりECUやTCU)が正しく認識出来るということです。
生のデータをやり取りすることと、編集されてしまったデータをやり取りすることを比較すればどちらが良いか一目瞭然です。
また、データ編集方法が2~3通りあるようで、その数字に齟齬が起きると"コンフリクト(データの不一致)"が起きるわけです。これが、違うメーカーのECU/TCUを組み合わせた時に予期しない挙動が出る原因というわけです。
生のデータをやり取りすることと、編集されてしまったデータをやり取りすることを比較すればどちらが良いか一目瞭然です。
また、データ編集方法が2~3通りあるようで、その数字に齟齬が起きると"コンフリクト(データの不一致)"が起きるわけです。これが、違うメーカーのECU/TCUを組み合わせた時に予期しない挙動が出る原因というわけです。
今のところ、
①VW/Audiの大多数
②BMWの一部
③ルーテシア
はTCUを(ほぼ確実に)用意出来る状況であり、逆に
④メルセデス
⑤日本車
はTCUの書き換えが難しいパターンが多いです。
メルセデスは世界的に解析が進んでいないと言われていますね。中々難しいのが、1つのマップを解析した!と言っても、(車種が変わったり、年式が違ったりすると)他のバージョンのソフトウェアだとダメなこともあるという…。
弊社は解析が出来ています!と言っているところも、どこまで解析出来ているのか、解析範囲外のデータとの整合性は取れているのか…誰もわからない…というのが本当に難しいわけです。弊社のマップはブーストが◯◯barかかります!というのも、純正センサーでの計測であれば①その数字が生データなのか②そもそもその数字はブーストセンサーの検知範囲内に入っているのか③どのようなシチュエーションでもそのブースト圧を安定して維持できるのか…など、検証そのものが難しいというのがECUチューニングの難しさでもあります。
そんなこんなで、個人的にはメルセデスベンツのガソリンターボ車のECUチューニングは(出来るけど)どうなのかなぁ…という目で見ており、その辺りの現状をある程度把握したうえでチューニングの可否を検討する必要があります。
一方、日本車はECUがATの制御も担っている事が多く、その辺りの制御がわかっているけれでもわかっていないようです。正直、デンソーやケイヒンの人に酒を飲ませた方が早そうですね(コンプラ~~~)
ということで、やるならECU&TCUセットじゃないとダメだよ。どっちか片方だと何となく変な瞬間があるかもよ。という記事でした。(内容が無い…よう…)
*TCUを弄らない方が良い車については、実際にご依頼頂いた方には説明させて頂いております。流石にこれはメシノタネコードなので、ご依頼頂いた時に聞いてください笑
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