2022年8月6日土曜日

これはミニバンでは無く、ただひたすらにデカいゴルフだ;GOLF TOURAN TSI R-line

200オーバーで巡航出来るミニバンって現実的にはこれくらいしか無いように思います。

・緊急時用で良いけど7人乗り
・アイポイント高め
・基本性能がある程度高い
という条件で車を探すと意外と選択肢が無いこの頃。

VW:シャラン、トゥーラン
BMW:2シリーズアクティブツアラー
MB:GLB、Vクラス
トヨタ:アルヴェル、ノア系
ホンダ:ステップワゴン
などなど色々あるのですが、ここに以下2条件が入ると一気に選択肢が狭くなります。

・全幅1850mm以下
・空荷なら200オーバーで巡航出来る

VW:トゥーラン
BMW:2シリーズグランツアラー
MB:GLB
この3車種に絞り込まれてしまうということになります。
BMWは正直狭すぎて話にならないのでトゥーランとGLBの一騎打ちになるでしょうか。

0-100の性能順に並べるとこのような順になるようです。
GLB35 4matic(306PS/5800-6100rpm,400Nm/3000-4000rpm&1790kg)
GLB250 4matic(224ps/5500rpm,350Nm/1800~4000rpm&1760kg)
TOURAN TDI Hiline(150ps/3500~4000rpm,340Nm/1750~3000rpm&1670kg)
TOURAN TSI R-line(150ps/5000~6000rpm,250Nm/1500~3500rpm&1560kg)
GLB200d 4matic(150ps/3400~4400rpm,320Nm/1400~3200rpm&1810kg)

そりゃ予算が許すならGLB35ですが、800万弱という価格はどうなのよ???という所と、実際の室内空間に着目してみるとおのずと答えが出てきます。ホイールベースを単純比較するとGLBは2829mm、TOURANは2785mmとなり、GLBのほうが車内空間が広いはずなのですが、現車を確認すると4WD+高級シートによってGLBは2列目のフットスペースが激狭です。割とマジで狭く、イメージ的にはVWだとポロ並みの狭さで、ミニタクシーとして欧州で使用されているTOURANとは2~3ランクくらい車格が違うのでは???と思ってしまうくらいの違いがあります。TOURANはFFかつシートが安っぽい薄い為、とにかく車内空間が広い。2列目シートの機能も組み込みテーブルがあったり、GLBとは明確に用途が違うことがわかります。GLBは2,3列目共におまけ、TOURANは2列目にも人権を付与しようとしています。GLBは2列目シートが2分割、TOURANは3分割であり、極端な話をすればTOURANは2列目の中央部シートを取り外して6人乗りにすることで更に2列目空間を広く使うことも出来るようになります。(本国には6人乗り仕様があったようです)


また、TOURAN TSI R-lineはFF1.4Lターボであり、GLBが2.0Lターボ+4WD、TDIモデルがディーゼルエンジンで90kg重くなることを考えると実はTOURAN TSI R-lineのコスパが割と良いというのも見えてきます。
*ちなみにこの結論は非常に難しく、積荷満載状態だとやはり150馬力は非力なので2.0L+4WDのTOURAN Rがあったら良いのにな…というのは常々思っています。流石に4WDは車内が狭くなるのでFFのままで良いとも思いますが、GTIの2.0Lターボエンジンを積んで220馬力くらいで出してくれたら不満は完全に無くなりそうです。
*ディーゼルモデルは都内の様々な割引が受けられないというのも現時点は大きなデメリットになっています。

あとしょーもない話をすると、TOURAN TSI R-lineはTOURAN TSI Hilineと比べると+4万円でフルエアロ+18インチタイヤになるのが結構美味しかったりします。ミニバンに18インチタイヤはどうなの?というのは事実ありますが、ガツガツ走るならタイヤが薄いメリットも享受出来ます。
*とはいえ、実際に18インチで乗ってみると結構突き上げが厳しく、純正のピレリタイヤでは不快な振動を結構拾い、バイブレーションを一発で吸収してくれないのが割としんどいです。35000km時にミシュランのPS4に交換した所、そういった不快な突き上げがほぼ無くなり、燃費も2~3km/L向上しました。VW純正ピレリダメすぎでは…。


ちなみにトゥーランよりも1つ車格が大きいシャランは同じエンジンで1800kgのボディを引っ張る為、動力性能に関しては絶望的です。ディーゼルモデルはECUセッティングを変えて177ps/3500~4000rpm,380Nm/1750~3250rpmというそこそこのトルクを絞り出していますが、車重が1900kgあるので更に絶望的になります。0-100は10秒を超えてくるようなので、とりあえず安くデカい輸入車が欲しい人以外にはあまりオススメ出来ない気がします。
*ただ、シャランは湿式DSGなんですよね。羨ましい。(既に1回クラッチ交換している顔)


そんなこんなで初回車検までに約5万km乗る過走行っぷりを見せていますが、4万km過ぎた頃からサスペンション周りがくたびれてきているのを感じています。低コスト運用の乗り潰し車なので全て見て見ぬふりをしますが、思っていたよりもダンパーやブッシュが保ったな…というのが率直な感想です。
どうやらタイヤのエア圧が下がっていただけのようで、エア圧を上げたらほぼ気にならなくなりました。多少ダンパーは抜けつつあるのは事実ですが、タイヤのエア圧のほうが重要なファクターですね。前後2.4くらいにするのが個人的な好みです。


実際に長距離移動で使ってみると、どんな速度でも真っ直ぐ走り、豪雪の中でも賢い電子制御と優秀なリアサスによって自由自在に走ることが出来ました。雪の中で意図的にハーフスピン状態を作っても簡単に立て直せますし、フロント優位で綺麗に円が書けてしまうのも非常に興味深い車です。(トゥーランはFFですが上位モデルが使っている4リンクサスが使われています)
高速道路上では運転手合わせ約350kgの荷物を積んだ状態で16km/L、ルーフキャリアに自転車を2台載せて13km/Lと燃費も悪くなく、ADASもこの年式の物としてはほぼ最先端の物が入っている為大変使い勝手の良い長距離ツアラーです。腰高な為連続スラロームは苦手ですが、国産ミニバンと比べるとハイパースポーツ並の動力性能です。ブレーキドッカンドッカン踏んでも全然フェードしないのもかなり優秀です。
ゴルフヴァリアントよりも車内空間が広くアイポイントが高い為、トゥーランのほうが圧倒的に快適かつ周りが良く見えて楽です。隠れた名車だと思っています。

GLBならパワーがもっとあるためドライバーは楽だと思うのですが、後席に人を載せるとキツイでしょう。GLB45sとかがあれば突き抜け感があって面白いのかもしれないですが、あえて色々諦めて選ぶにはGLB35は役不足な気がします。

ゴルフトゥーランは巷ではゴルフ8ベースにマイチェンするという話もあるようですが、どうやら現行型が最終モデルになり、iDBuzzにシフトしていくという計画もあるようです。iDBuzzは全幅1900mmを超えてくるため、トゥーランはこの先もひっそりと人気車種として中古車市場に残りそうですね。


ということで、サイクリストには結構オススメです。
サイクリストに限らず、アウトドア趣味の人にはかなりオススメ出来ます。

【追記】
販売店主催のドライビングスクールに参加し、オートテスト形式のコースを走らせてきました。ドライバーは僕では無いのですが、非常に安定しており、かなり積極的にアクセルを踏んでも全く破綻しませんね。ESPをオンにすればアンダーステアもほぼ発生せず、非常に優秀な車だと再認識しています。


4 件のコメント:

  1. メルツェデスの2,3列目シートのレッグルームの狭さ、非常にわかります。あれって、安全のため、3列目後ろにクラッシャブルゾーンを設けるために狭くなっているのでしょうか?

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    1. 多分そう。あと、根本的に1列目シートがデカくてごつくて相対的に後ろにあるよね。でも、その割に衝突安全性能が飛び抜けて高いわけでは無いイメージがある()

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    2. 長年FFプラットフォームを作ってきたVWのほうが上手に作ってある感じなのですね。トゥーラン、パッケージもよく元気に走って良い車ですよねえ。

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