2024年12月3日火曜日

Audi R8 V10coupe performance 5.2FSI quattro

 TTRSにどこまでお金をかけて良いものか…
という命題の可視化の為にスーパーカーの試乗をしてみることにしてみました。

実はこれまで、スーパーカーの試乗は意図的に避けてきました。
・スーパーカーを評価する軸が自分の中に無い
・都心の渋滞の中で乗っても正直わからない
・ある程度知っている道じゃないとわからない
・ディーラー所有車を借りるのには少々抵抗がある
という4点が理由でした。

今回、そこそこ知っている高速道路でAudiJapan所有の右ハンドル個体を使った高速試乗が出来るということで、試乗枠を頂き試乗させて貰ってきました。

TT/TTRSとR8はAudi/AudiSportsの中でもスポーツモデル枠になっていました。実際に同じ公道試乗コースを走ってみる機会は中々珍しいのでは無いでしょうか。TTRSをそこそこ使い切っている自負はありますが、シリアスなサーキットユーザーでは無いというのは記しておきます。

結論から書くと、R8はTTRSとは違う階層に居ます。あくまでも乗用車をカリカリにイジって行った先に居るTTRSと、基本骨格からより高い次元で設計されているR8は直接比較することは非常に困難です。TTRSだとこう動くな…という動きと、R8だとこう動くんじゃないかな…という動きはオーバーラップするものの、本質的な部分の作り込み(金のかかり方ともいう)が全然違う印象を受けました。

こういった動きはディーラーから出た瞬間にわかりました。モノコック、サブフレーム、アーム類など、サスペンションの動きに影響を与える部品の剛性が明らかに1次元上です。TTRSのリアサブフレームを強化したところで、ブッシュを固めたところで、ボディ補強を入れたところで、出来るものはレーシングカーで、スーパーカーにはならないわけです。


パワーユニットに関しては、出来が良すぎて遅く感じるというのはこういう事なんですね。というのがよくわかる経験でした。最大加速Gは0.8gとTTRSと全く同じgが出るのですが、トルクの落ち込みが少なく、9000回転弱まで綺麗に吹けていく…というのはTTRSには無い感覚です。8000過ぎシフトが1番速いのも体感とパワーカーブはマッチしています。620PS(456kW)/8000rpm、580Nm(59.1kgfm)/6600rpmのスペック通り走るという印象を受けました。TTRSのほうが全域でトルクが薄く、パワーに関してはECUのstage1を入れるとR8を千切れそうです。

非日常性と驚きに関してはR8よりもTTRSの方が演出的には面白いのかもしれません。R8は設計やデザインに非日常性がある反面、乗ってしまうとあまりにバランスが良すぎて驚くポイントが総合点の高さのみになってしまいます。逆にTTRSは、あの見た目でナンチャッテクーペかと思わせて、スーパーカー並みの加速+そこそこのコーナリング性能を見せてきます。

また、ボディサイズが大きくて乗りこなせないのかな?と思ったR8ですが、完全に手の内に入るのが驚きでした。4隅全てがサクッと認知出来るスーパーカーというのは中々無いかもしれません。


ということで、R8は素晴らしい車でしたが、思い入れのあるTTRSを手放してまで購入するか…と言われると踏ん切りがつかないというのが結論でした。

また、TTRSはStage1に留めておき、それ以上はレカロシート(セミバケ)への交換くらいですね。

山田弘樹さん、かなりわかってる側の方だな…というのがよくわかりました。


【追記】2024/12/08
何種類かスーパーカーを運転させて貰ったのですが、ちょっとスーパーカーに対する認識を変えないといけない気がしてきました

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