具体的に違いに触れている日本語サイトが無いので備忘録的に書いておきます。
自動車用本革シートはウレタン塗装によって耐久性を担保しています。ウレタン塗装は耐久性が高く修繕が楽ですが、革本来の風味は失われてしまいます。
今回、Audi AGのTT発表時の資料にその詳細が掲載されていたのでこちらにアップロードしておきます。
ファインナッパレザー:ラッカー塗装(仕上げ)をしたフルグレインレザー
ミラノレザーはよくあるウレタン塗装革。ファインナッパレザーは色移りや防水性の担保の為のコーティングを革の質感を崩さないラッカー(ニトロセルロースをベースにしているはず)で行った革になります。
他社だとこの上に使用する塗料の量が極限まで減らされたセミアニリンレザー(アルピナのラヴァリナレザーなど)がありますが現実的にはヘタりが早く、途中で再度張り替える覚悟が必要だと聞いています。
更にこの上に塗料を全く使わないアニリンレザーがあるわけですが、昔のフェラーリ、ランチアなどのFIATグループの最上級内装採用モデルで使われているポルトローナ・フラウ社製のレザーシートがこれに当たります。最近のポルトローナ・フラウ社製自動車用内装はセミアニリンレザーになっているので、自動車業界で新規にアニリンレザーを見ることは殆ど無さそうです。
また、アルカンターラ(現行イタリア製)/ウルトラスエード(現行日本製)/エクセーヌ(旧東レ製)は68%のポリエステルと32%のポリウレタンから出来ているスエード調人造皮革素材です。本革比で半分の重量になることと、加工が容易かつ品質が安定していることから評価されている素材です。ただ、あまり撥水性は高く無い(表面のコーティングに左右される)ことと、擦れにあまり強く無く加水分解も激しい為、評価のかなり分かれる素材です。
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