2022年12月19日月曜日

TTRS用ET52のホイール探しとスタッドレスタイヤ探し+純正鍛造ホイールの重量

 都内でスタッドレスタイヤが必要なのか。というのは難しい問題ですね。
気温が下がる朝夜に車を動かすのであれば履いておいたほうが良いと思っています。


今回の記事では以下の3点は前提条件として知っている事を想定して書きます。
・VWグループの各モデルはエンジンパワーやカーボンセラミックブレーキ/スチールブレーキなど足回りの仕様毎にサスペンションパーツが違い、それぞれ違うスクラブ半径が設定されていることがある(ホイールオフセット/インセットがグレード毎に違うモデルが存在する)
・7度以下の気温において夏タイヤのゴムは物性が変化してしまい、ほぼプラスチックになってしまう

8S,8JのTTRSのホイールデータを並べて見ると色々と興味深い点が浮き彫りになってきます。


8J型TTRSは18インチが履けるのに対し、8S型TTRSは自慢の()R8とランボと同じ()8podキャリパーのせいで原則的には19インチ以上のホイールしか入りません。そして、社外の19インチも入らないものがあると聞いています。
サーキット勢はAP racingなどの社外キャリパーに交換することで18インチにインチダウンしサーキット用Sタイヤを履いているようですが、僕が調べた限りET52±2mmの18インチ社外ホイールは存在しておらず、あったとしてもET49、殆どがET40前後のホイールなので失笑しながら見ています。スクラブ半径変わったらステアリング特性はめちゃめちゃですからね。そんなに直進性欲しいんか?ショーカーなら良いですがそんな車とてもじゃないですが乗れません。

また、上記データからわかるように、8J型TTRSでは夏タイヤと同サイズのスタッドレスタイヤが履けたようですが、8S型TTRSでは夏タイヤの245/35ZR19から2サイズ落とした225/40R19がスタッドレス指定サイズになっています。スタッドレスタイヤは夏タイヤよりも外径が大きくなったり、ショルダー部が立った形状になっている為、8S型TTRSでは夏タイヤサイズのスタッドレスタイヤは入るには入るみたいですが、条件次第では干渉してしまうようです。

僕が調べた範囲ですが、ET50であればABTのARシリーズとBRシリーズ、oettingerのRXシリーズに8.5Jx19+50 112-5Hという仕様が用意されています。oettingerのRXシリーズはTouranでも使用しており、デザインも好みなのでアリかと思ったのですが全く売り物がありません。ABTのホイールも過去に1~2セットはネットで流通したようですが、現時点では新品/中古の状態を問わず手に入れることは無理なようです。8S TTRSには装着出来ないので調べても意味が無いんですけどねハハハ


そんなこんなで頭を抱えていたのですが、純正にはバッチリ用意されています。というか、調べた範囲だと8J&ET52&19インチかつキャリパーと当たらない組み合わせのホイールはこの純正ホイールしか選択肢が無いようです。

ということで本質情報(パーツ名/パーツNo/ディーラー定価)です。
5アームポリゴンデザインアルミホイール 8J-19 +52 "8S0071499 LD8" ¥83,600/本
タイヤセンサー "5Q0907275G" ¥20,570/本
ヘッドボルトM5X13MK "4D0601365" ¥1,540/本
メタルバルブ "420601361A" ¥9,460/本
*純正TPSMは¥31,570×4で¥126,280。Mk2時代のホイールや社外品だと取り付けられないホイールが多い。どうやら各ホイールハウスに受信機が内蔵されているようで、タイヤを取り付けて走行した瞬間に認識(データ受信)されるようです。
互換品もあります↓
*夏タイヤサイズの5アームポリゴンデザインアルミホイール 9J-19(8S0601025AA/AB/AC;イタリアSpeedline製約12.8kg?)はこのホイールのほぼ倍額だそう。純正OPの7スポークローターデザインの9J-20鍛造モデル(8S0601025CE;ドイツFuchsfelge製12.16kg耐荷重550kg/本)は1本20万前後だと聞くので、オークションで見かけたら買っておいても良いレベルだと思います。ちなみにホイールの重量差600~700gは245/35R19と255/30r20タイヤの重量差とほぼ同一であり、19インチでも20インチでもバネ下重量がプラスマイナスゼロになるように計算されているようです。
そうなると20インチ鍛造のほうがホイール剛性が高いことは前提条件として、
・ソリッド感とマキシマムグリップを重視するのであれば20インチ
・乗り心地とサイドウォールの変形が読みやすく車との対話感を強く味わえる19インチ
という使い分けが出来そうです。タイヤが細い19インチのほうがサスペンション周りへの負荷も微妙に弱いような気がしています。




*かなり剛性マシマシに見える純正ホイールの重量と構造を見ていると、2~3ピースのホイールを使うのはちょっと怖いですね。アメ鍛の2~3ピースホイールが最近は流行っているようですが、あんなもん全く剛性出ないだろ…と思って冷ややかに見ています。あれなら国産鍛造のほうが良い。というか、アメ鍛はゴミだと思っています。





5アームポリゴンデザインアルミホイール 8J-19 +52はコンベックス形状です。ブレーキキャリパーを逃しながらスクラブ半径を維持する為の苦肉の策って感じでしょうか。というか、絶妙な逃げを確保しています。これわざわざ専用設計で作ったのね…という苦笑いをしてしまいます。ここまでして無理矢理ぶちこんだ8podキャリパー…AudiSportsは時たま変な事をしますね。コンポーネントを共有する他のモデル(RS3;ET42,49、RSQ3;ET38など)はそもそも純正オフセットが違い、TTRSのホイールオフセットがかなり特殊なことがわかります。

一覧にしておくと…
TTRS(8S) Fトレッド/Rトレッド=1560/1540mm ET52
RS3(8V) Fトレッド/Rトレッド=1560/1530mm ET49
RSQ3(F3) Fトレッド/Rトレッド=1590/1595mm ET38
マグナ製のデフが入ったRS3(GY) はFトレッド/Rトレッド=1590/1530mm ET25/46

また、念のため書いておきますが、ベースグレードのTT用として用意されているホイールはキャリパーと干渉する為、TTRS(のフロント)では使用出来ないようです。 リアブレーキはTTSと同じものが使われている為、最も安い組み合わせでスタッドレスを履きたい人はフロント2輪を専用設計の8J-19 +52とし、リア2輪はノーマルTT用の8J-19 +52を用意しても良さそうなのですが、純正19インチは全て9Jになっており同じサイズのタイヤを履かせてもタイヤ外径が変わります。ハルデックスシステムとタイヤ保護の為に避けておいたほうが良さそうです。
こうやってベースグレード用のホイールを並べると17インチ19インチ20インチそれぞれ1モデルずつ純正鍛造ホイールが用意されているのが面白いですね。
純正鍛造ホイールはベースグレードやTTSでサーキットを走る時には飛び道具になりそうです。ちなみに、FFモデルはET47っぽいですね。



また、8J型のTTRS用ホイール(イタリアSpeedline製)はどうなの?と思う人も多いと思います。チラッと聞いた話だと8podキャリパーと干渉するようです。このキャリパーは直径方向ではなく横方向に張り出しているという話を聞いています。Mk2(8J型)のTTRS純正ホイールはいずれも鋳造かつレプリカ品も数多く出ています。
鋳造/鍛造どっちが良いの?という話がしばしばありますが、古いアルピナが鋳造ホイールに拘っていたように、特定のシチュエーションでは鋳造ホイールの重さがジャイロ効果的に効いてくることも無いわけでは無いようです。ただ、バネ下重量は軽いほうが良いというのは運動力学的には普遍の真理です。

*純正鍛造の話を初めてしまったので更に続けると、Fuchsfelgeのサイトによれば通常のMk2TT,TTS用のホイールには鍛造ホイールがあったようです。アウディ純正鍛造はフックスで鋳造はフックスとスピードラインがありそうです。スピードラインというよりも親会社のRONAL製という言い方のほうがしっくり来るのですが、ホイールにはSpeedlineと記載があります。
この辺りがTTRSでは使えませんが各サイズ最軽量ですね。Audiが鍛造と明記していないので驚くほど安価に流れています。
オフセットやPCDが合うモデルがあるか…はさておき、RAYS VOLK RacingのTE37だと17-8.0Jで7.5kg、19-9.5Jで9.5kgのモデルを出していたはずですし、17-8.0Jだと6.2kgクラスのホイールもあるようです。タイヤとの組み合わせ次第ですが、色々無視すれば1本当たり4kgくらい軽くすることも出来そうですね。認証タイヤを嫌っている時点で数kgの変化があるので特大ブーメランにはなりますが、カーボンセラミックブレーキOPを選択すると軽減されたバネ下重量に合わせて足回りのパーツがゴッソリ変わる賢明なAudiSportsの知見を考えると下手に触りたく無いわけです…。
8S0601025 ET47




ついでに各サイズのスタッドレスタイヤ一覧を貼っておきます。
イギリスのサイトなのですが、このサイトは本当にオススメです。
タイヤサイズ毎のチャート

各メーカーの2022 Tyre Reviews Studless Winter Tyre Test:https://www.tyrereviews.com/Article/2022-Tyre-Reviews-Studless-Winter-Tyre-Test.htm
*Nokian Hakkapeliitta 10がスタッドタイヤ=チェーン装着相当のデータとして見るとかなり興味深いです。

一本20,000円くらいだとジャンジャン履き替えていけるんですけどねぇ…

225/40R19



245/35R19




































夏タイヤサイズで履くのであれば、W規格(上限270km)のピレリウィンター270ソットゼロというタイヤが選択可能です。
https://www.tyrereviews.com/Tyre/Pirelli/Sottozero-Serie-II.htmを見る限り、悪いタイヤでは無さそうですが、設計が古いのが難点でしょうか。


また、オールシーズンタイヤを考えている方はこういった選択肢になりそうです。
225/40R19









245/35R19
オールシーズンタイヤであればY規格(上限300km)という選択肢があるので、オールシーズンタイヤ+凍結時はオートソックという組み合わせも無くは無いかと思います。ただ、個人的にはこの組み合わせは冬用として用意するにもタイヤ交換回避の為の選択肢としてもどっちつかずかなぁ…と。オールシーズンタイヤはオフロードタイヤとしても使えるので、グラベルも走るのであればギリギリアリかと思って見ています。


まぁそんなこんなで選ばれたのはMichelin X Ice Snow 225/40R19 93H XLでした

参考資料
MICHELIN PILOT SPORT 4Sを正しく安全にご使用いただくために

Wheel-Size.jp

Fuchsfelge

価格コム;スタッドレスタイヤ

輸入車のカタログ集めました。

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