①時速7マイル（約10km/h）以下
バルブオープン
バルブオープン
②時速7マイル（約10km/h）以上
ⅰ.3100回転以上でバルブオープン
ⅱ.アイドリングから3100回転までバルブクローズ
＊一度バルブが開いたら2700回転を切るまでバルブオープン状態が維持される
既にECUチューンの話の際に投稿しているように、3.2クワトロのVR6は最大トルクの32.6kg・m(320N・m)を2800～3200rpmという回転数で発生しています。この最大トルク時にバルブが閉じているというのがミソですね。
デジタルスピードが公開しているパワーデータとスコーピオンが公開しているパワーデータでも概ねその数字が正しい事が確認出来ます。（スコーピオンのデータがメーカー公表値とトルクカーブがかなり違うので何とも言えませんが、何となく雰囲気は掴めますね。）
というか、スコーピオンのエキゾーストめちゃめちゃトルクカーブが悪くなっています。音だけやんコレ
この負圧バルブはECUからダイレクトにソレノイドが制御されており、それがエンジンからの負圧を伝達/切断する構造になっています。
＊スコーピオンのマフラーは同じような負圧バルブが付属していますが、調べた限りではこの負圧バルブがついているマフラーはスコーピオン製のものしか無さそうです。Supersprintのマフラーには負圧バルブはありませんでした。
この負圧バルブ制御を見ていると、抜けの良いマフラーを作っておいて、低速域のトルクの落ちをバルブ閉じて確保し、ついでにドイツの市街地騒音規制もクリアしようという賢い制御になっているようです。VR6は社外マフラーに変えるとパワーが落ちるという話を色々な所で聞いていますが、つまりはこの負圧バルブが無いからパワーが落ちるという意味な気がします。
スコーピオンのマフラーも全域で体感出来るレベルで上がるわけでは無く、センターストレートと約5kgの軽量化が主目的なようです。音は素晴らしく良くなるようで、個人的に参考にしているYoutuberも絶賛しています。ただ、当然車検非対応なのと、高音域で管楽器のように鳴るわけでも無いので個人的には5kg軽くなるのは魅力的ですがそこまで優先順位は高く無いのかな…とも思います。というか今の為替では買えないですね。
で、実際に乗りながら見ていると面白い事に気がついたのでメモがてら残しておきます。
①エンジン始動後、様々なタイミングでマフラー辺りからｷﾞｯという音がします。これが負圧バルブの作動音です。
②一度バルブが開くと2700回転を切ったタイミングでバルブが閉じると書いてありますが、閉じない事があります。長時間全開走行が続いたり、アクセル開度がかなり大きい乗り方をしていると一度大人しいアクセル開度に戻したうえで2700回転を下回らないとバルブが閉じないことがあるようです。そもそも全開時の負圧は低いはずなので何となく納得出来る気がしなくも無いです。GoProなどでリアルタイムモニタリングが出来ると面白そうですが、排気が直接当たるので中々厳しそうです。
③窓を開けて走っていると負圧バルブが開く音は非常にハッキリと聞こえます。走っていて停車寸前の速度になると後ろからｷﾞｯという音がします。当初、サスペンションの異音かと思っていたのですが違いました。負圧バルブの動作音が意外と煩いです。
④負圧バルブへのホースを抜くとバルブが常時開放されるようです。抜いてボルトを入れて適当にタイラップで留めておくやつですね。上記のサイトには7馬力上がったというダイノテストの結果が掲載されていますが、実際に常時開放で乗っている方からは”中間加速が鈍った気がする”という理論的に非常に納得出来るコメントを頂いています。中間域の燃調補正が高回転域にも影響を与えている可能性がありますが、エンジンの負圧が弱くなることでパワーが上がるのかなぁ…。ちょっと考えられない気もしますけどね…。
＊車検時の騒音検査は停車時（バルブ開放時）に計測するはずなので日本の車検的には常時開放でも全く問題無いはずです。年式的にも103デジベルまでいけるので結構派手な音でも大丈夫…という感じですね。ただ、最近は純正マフラーで無い場合必ず認証を取っていないとダメだという話もあるので、スコーピオンマフラーでそのまま車検に通るかは正直かなりグレーゾーンだと思います。
⑤純正マフラーでも充分良い音です。爆音を鳴らしたいならセンターストレート化はアリだと思いますが、個人的には純正で充分かなぁ…。RSモデルと同じような官能検査をやって形状を決定しているそうなので悪く無いと思いますよ。
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