2023年11月18日土曜日

AJ133sのお話(その2)

 AJ-V8 GenⅢR型5L V8DOHCスーパーチャージド、割と謎エンジンなんですよねコレ
前回の記事はこちら



話を総合すると設計はジャガー、2009年~2020年8月フォードBridgend工場で生産、2020年9月からJLR Wolverhampton工場生産というのが見えてきます。

設計としては直噴+可変バルブタイミング機構+オットーサイクル+インタークーラー付きクソデカスーチャーという古き良きエンジンですね。V8オタクの皆さんには残念なお知らせですが、クロスプレーンクランクです。

同じクロスプレーンクランクを使うフォードのCoyoteエンジンと設計を共有しているという話もチラホラ見えるのですが、フラットプレーンクランクの5.2LのVoodoo engineがAJ133と近しいようです。調べたけどよくわからん。エンジン単体重量も調べても出てこないくらい、色々な情報が無いエンジンです。

最も出力の大きいモデルはJaguar XE SV Project 8とBowler Nemesis で600 PS (441 kW; 592 hp) 700 N⋅m (516 lb⋅ft)
最も出力の小さいモデルはJaguar XJ,XF Superchargedで470 PS (346 kW; 464 hp) 575 N⋅m (424 lb⋅ft)
ディフェンダーV8は525PS 625Nmと丁度中間くらいの出力となっています。2018年頃からECUがデンソー製に切り替わっており、ディフェンダー含むデンソー製ECUのモデルはECUチューニングが困難なようです。ただ、ECUリフラッシュを提供している所も無いわけでは無いようで、スーパーチャージャーのプーリー径変更をセットで行うと660PS 854.17Nmという数字が見えてくるようです。雰囲気的にはAMGの63系とほぼ同じ数字が狙えるという感じですね。

https://www.carscoops.com/2020/08/jlr-will-produce-aj-supercharged-v8-unit-themselves/
https://www.autocar.co.uk/car-news/business/jaguar-land-rover-continue-aj-v8-production-house
https://www.webcg.net/articles/-/7471
https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17476693




スーパーチャージャーはルーツ式と呼ばれるタイプで、イートン製のTVS (Twin Vortices series) R1900が使用されています。Rシリーズと呼ばれるタイプなので羽根は4山のものが使われています。(同じイートン製のM112が使われているという話もあるのですが、多分R1900が正解です。)
より大型のTVS R2650とTVS R2300も用意されており、フォードのGT500にはR2650がアッセンブルされ700馬力以上を発揮しているようです。ただ、前述の通り同じ規格とはいえ別物のエンジンなのでTVS R2650のポン付けは難しそうですね。TVS R2300はポン付けキットが出ていたようです。ただ、最近のデンソー製ECUの解析が出来ていないのか、近々のモデルにはつかないとかなんとか…。



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