BMW公認チューンドカーの燃焼状態最適化
恐ろしく効きます。
アルピナを弄るなんてっ!?という意見も聞こえてくるのはもちろん認識していますが、BMW公認チューンドカーということは、それだけパワーアップのマージンも残してあるということでもあります。
アルピナにパワーアップの余地がある理由ですが、割とシンプルです。
①純正マップはヨーロッパの市場基準でRON95~98想定の(自称)RON98用マップになっています。日本のハイオク(RON100相当)を前提に点火進角を詰めていけば、ノッキング限界が後退してトルクが増します。
*CelticTuningのマップは基本的に全てRON97~98を想定したマップになっています。
②純正はEUの環境規制を通す為のマイルドなマップです。燃調・点火のマージンを多く取っており、排気温度も触媒が最も効率良く反応する領域に設定されています。純正で点火時期をかなり遅角している部分を最適化することでトルクの上乗せが可能です。
面白いことに、弊社ではE46 B3Sという、メカチューンを施された真の意味での純血アルピナエンジンを積んだ車を既に2台書き換えています。
1台は後日記事を書くE46 M3のオーナーがストリートでもサーキットでも踏んでいる個体、もう1台は今回紹介するAT→MT換装個体です。
ぱっと見はE46 M3 CSL用のブレーキが入ったアルピナですが、左ハンドルATのB3SのATを外し、SMG2のギアボックスを入れてMTとして運用。リアにOS技研のLSDを入れ、ファイナルも最適化し…という”我々が考える最強のB3S”になっています。
今回は
①トルクアップ
②AT→MTへのデータ変更
③ギア比の変更
が出来ないか?という話になり、対応させていただきました。
既にE46 M3はSMG2ギアボックスのMT化を行っている車体の施工を行っている為、その経験も応用しつつ対応させて頂いています。
このデータは難産も難産で、CelticTuningのHQと何度もやり取りを繰り返し、純正DMEのMS43はどういうデータを保持しているか(どう運用しているか)というところを調べながら、出来ること/出来ないことを切り分けていく必要があります。
B3SはMS43という、ほぼ完全解析されたDMEです。
DME中にAT用/MT用の領域がどちらも含まれており、②は一度EEPROMという学習領域をリセットし、ATからの信号が無ければ自動的にMTモードが選択されるようです。
また、ギア比/速度を厳密に把握しているわけでは無い&純正ATのギア比に近づくようファイナルも変更されているということで、ギア比に関するデータは弄らなくて良さそう(そもそもそのテーブルが無い?)という結論になりました。
そんなこんなで、データを元に色々調べる時間を頂き、HQでもデータ制作に時間を頂き、出来上がったデータを書き込んで現在運用して頂いております。
ノーマルでは305ps@6300rpm / 362Nm@4800rpmという数字が公表値になっていますが、およそ5%ほどトルク&パワーを上乗せ出来ているはずです。つまり、イメージとしては約320〜330ps&380〜390Nmくらい出ているのかな?カタログ値は絶対的なものでは無いので参考値となってしまいますが、夢がありますね。
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